書籍・雑誌

2009年11月 8日 (日曜日)

『脱官僚』『脱官僚依存』『天下りや渡りの禁止』という言葉の真意に存在する国民の怒りを理解すべし…

『脱官僚』『脱官僚依存』『天下りや渡りの禁止』と官僚社会・霞ヶ関の改革を謳って久しいが、同じ穴の狢で血税を共に貪って来た前政権自民党には出来なかった事を、今回政権選択選挙で無血維新政権交代劇で政権与党に成った民主党は成し遂げようと必死に試行錯誤していると思う。

『脱官僚』『脱官僚依存』『天下りや渡りの禁止』などと何故?忌み嫌われ国民の怒りを買い国会でも幾度となく騒がれて来たのか?

それは、堕落した長期政権自民党政治が官僚に依存し過ぎた結果、政治家が主導権を失い、官僚達が主導権を持ち、自分達の既得権益網を勝手に広げ退職後の再就職先まで血税で賄う法人を企業と結託し幾重にも張り巡らせ国民の血税を貪って来たからに他ならない。

長期政権与党であった自民党議員達は官僚に踊らされ甘い汁を吸わされ籠絡され官僚社会主義国家日本という体制を許し、民主主義、国民主権の選挙による国民の代表が主導する議会制民主主義の根幹を揺るがせ堕落疲弊させた結果、国民だけが苦しみ長期政権自民党政治家と官僚と癒着企業達だけが血税で一生涯に渡って楽をする歪な社会を作り上げてしまったからでもある。

国民は、この歪な官僚社会主義国家と化した日本を‥自民党と官僚により国民主権を侵害されボロボロになった日本を‥国民が疲弊するばかりの日本社会を立て直して欲しいと願い国民は怒りに震え無血維新革命政権交代劇を果たしたのであると私は思う。

では、今般、騒がれている郵政や人事院の長に元官僚を政治家大臣が指名したという事で野党やメディアが鬼の首でも獲ったように民主党の主張している『脱官僚』『天下りや渡りの禁止』に反しているのではないかという反論をしているが、よく、考えて貰いたいものである。

国民の怒りは官僚が官僚の手によって官僚達の既得権益や優遇制度を官僚主導で行い、そこで企業とも結託し長期政権自民党政治家に文句を言わせない為に利権構造を作り国民の血税を国民の為でなく官僚や長期政権自民党政治家の私腹を肥やす為に使われ国民生活を疲弊させて来た事に怒っているのであって、政治家大臣が主導して利害の無い必要指名人事であれば血税を貪られる事は無い訳だから国民が怒る根拠は無い訳である。

元官僚だから公的役職に就いては駄目だ!と言うのであれば職業選択の自由を奪うものであり、社会に貢献する機会を奪うものであり牽いては能力を埋もれさせるものでもあり社会的損失にも繋がり決して許されるものでも無いと思う。

先にも述べたように政治家大臣が主導して利害の無い必要指名人事であれば、能力の有る人材の起用登用目的と言う事であれば、社会の為、国民の為に貢献する事であるから反対する理由は無いものと思える。

『脱官僚』『脱官僚依存』『天下りや渡りの禁止』という言葉に込められた国民の怒りの真意を思い考えれば、言葉尻だけを取り上げて民主党に反論する野党やメディアの底の浅さが露呈し稚拙さだけが浮き彫りになって来る。

こんな社会は淋しいばかりで、決して将来を担う子供達の手本には成らないし、成り得ない…。

物事の真実を見つめる努力を怠る事無く、政治を政治家を官僚を監視する姿勢を怠っては為らないし国民は肝に銘じるとともに忘れては為らないと思う。

地方に於いても知事や市町村長や各議員と公務員の監視を市民は怠っては為らないし、肝に銘じるとともに忘れては為らないと思う。

言葉に込められた真意を思考すれば、物事の判断の基準になるのだが、悲しい事かな‥恣意的論調に惑わされ流され扇動される国民が多い事も現実であり憂うべき事でもある………

ひとりよがりごとのつぶやき

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2009年10月31日 (土曜日)

淋しい狩人 (新潮文庫) (文庫) 宮部 みゆき (著)

この本は16年程前の宮部みゆきの作品だが何度読んでも面白い。人間の暗部を的確に取り上げた内容と、主人公である古本屋の主人と孫の心温まる会話とのコントラストが暗くなりがちなミステリー小説を明るく楽しい色に変えている。

この作品は先程紹介した主人公である古本屋の主人と孫が関わる事件を6篇の短編集で構成しているが、事件の内容背景は多岐に渡り現代にも通じ考えさせられる内容である。

遺産目当てに完全犯罪を目論むもの(6月は名ばかりの月)、殺害された父親の残した大量の同じ本に疑惑を抱き事件解明の謎解きをする仲の悪かった息子(黙って逝った)、幽霊騒ぎに纏わる戦時中の悔恨(詫びない年月)、童話に隠された児童DVの陰惨(うそつき喇叭)、電車に忘れられた文庫本が一人の女性を変える(歪んだ鏡)、書き掛けの小説が呼び寄せる無動機殺人(淋しい狩人)と6篇とも事件はさまざまだが主人公達の活躍は出来過ぎの感も有るが、あくまでも事件の背景と内容を重視した構成である為に気には為らない。

出来れば続編を期待するが、16年も書かなかった処をみると、その気は無さそうだ。

淋しい狩人 (新潮文庫) (文庫)

宮部 みゆき (著)

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内容(「BOOK」データベースより)

東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挾まれていた名刺。父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。ブッキッシュな連作短編集。


内容(「MARC」データベースより)

電車の網棚に忘れられた一冊の文庫本。父親の遺品から出てきた数百冊の同じ本…。事件はいつも本から始まる。東京下町の古書店を舞台に、本にからむ人間模様を描く連作ミステリー。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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2009年10月23日 (金曜日)

『告白』湊 かなえ (著)

いやいや…ホラーよりも怖い推理小説があるんですね。

少年法の是非とは別に司直に委ねず被害者家族(母・教師)の悲しみと怨念と綿密に計画された復讐劇を加害者と加害者家族の歪みを描きながら着々と追い詰めていく被害者家族(母・教師)の、ある意味狂気にも似た計画が進行して行く過程は恐怖以外の何ものでもなく、読み終わった後もその恐怖感は拭い去れない衝撃の推理小説であると共に、2009年本屋大賞第一位の帯が掛かっているが納得のいく内容である。

最後の加害者犯人の心を完全に圧し折る最大の復讐は殺されるよりも重い後悔も懺悔も許されない恐ろしいもので、第一章「聖職者」の恐怖の仕上げとしては予想を超えるものだった!………

告白 (単行本)

湊 かなえ (著)
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内容紹介

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。


内容(「BOOK」データベースより)

愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

湊 かなえ
1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。2005年第2回BS‐i新人脚本賞で佳作入選。07年第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し、『告白』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009年10月20日 (火曜日)

『火車(かしゃ)』 (新潮文庫) (文庫) 宮部 みゆき (著)…

「北村薫」にして「宮部みゆき」長編ミステリー№1と謂わしめた『火車(かしゃ)』を再度(何度目だろうか‥)読んで、飽きる事の無い、この面白さは如何なる所以か私自身も考えさせられる。

傷病休暇(リハビリ)中の刑事が遠縁の、それこそナント呼ぶのか分からないほど遠縁で疎遠な男に頼まれて消えた婚約者の捜索を始めるのだが、そこから始まる謎?謎?謎?の連続の中にカード社会の犠牲をテーマに、幸福の追及と錯覚という切り口で社会の歪みを切り刻んでいく文法は、さすが社会派ミステリーの第一人者(と私は思っている)「宮部みゆき」の真骨頂だと思わせる。

金融から始まった簡易で安易なローン制度の一般社会への蔓延が錯覚を引き起こし悲劇を生み出し犯罪を呼び寄せる元凶となる過程を、誰もが陥る身近な問題として取り上げ読者に提起する此の小説は、現在の、これまでの政治の歪みにも通じ、公共工事の価値の錯覚をも浮き彫りにし考えさせられる内容であるとも思える。(チョッと大袈裟かも知れないhappy02

社会派ミステリー好きとしては必読の書であると思う。

ひとりよがりごとのつぶやき

火車 (新潮文庫) (文庫)

宮部 みゆき (著)
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内容(「BOOK」データベースより)

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

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2009年10月18日 (日曜日)

『我らが隣人の犯罪』宮部みゆき(著)

最近は本を読むのが面白くてブログ記事の更新が怠りがちであるが、政治関連に於いては、いつもお邪魔するブロガーの方々が私の思うところも代弁されているので私があえて記事にしなくとも充分間に合っているようだ…が、コメントはなるべく応援の意味も込めて書くようにしているので記事更新の遅れはご容赦願いたい…

今は以前読んだ宮部みゆきの「火車(かしゃ)」を読んでいるが、その前に、これも随分以前に読んだ、やはり宮部みゆきの「我らが隣人の犯罪」を再度読んだ…

面白い事にこの本「我らが隣人の犯罪」の解説を先日読んだ「鷺と雪」の作者、北村薫が行なっている事に偶然の面白みを感じている…

この本は〔我らが隣人の犯罪〕〔この子誰の子〕〔サボテンの花〕〔祝・殺人〕〔気分は自殺志願(スーサイド)〕の短編五編から成っているが、一言で云えば痛快サスペンスで非常に読んだ後の気分が良い小説である。

こんな美味い話は現実には在り得ないだろうが、在ったらイイナ!と思わせる痛快サスペンスだけに、今度は売る事も無く手元に残して置こうと思う…

一ヶ月に平均20冊ほど色々な本を読むので、いつの間にか本棚も机の上も本が山積みになり困った事になる…その中から連載物とか‥特に面白かった物とか‥仕事にも生活にも参考文献として必要な物とかを残してブックセンターなどに売り払うのだが、この本のように面白くても売り払った本が多々在る‥後で後悔するが後の祭りで再度購入するハメになる…

私と奥方の本で一部屋丸々潰されるが、本というのは手放すのが非常に惜しまれるのは何故だろうか…?

ひとりよがりごとのつぶやき

我らが隣人の犯罪 (文春文庫) (文庫)

宮部 みゆき (著)

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出版社/著者からの内容紹介

新居に引っ越した僕たち一家は、隣家の犬の鳴き声に悩まされた。一計を案じ、犬を"誘拐"しようとしたところ、意外な展開になり

内容(「BOOK」データベースより)

僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。

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2009年9月30日 (水曜日)

『夜は短し歩けよ乙女』

『夜は短し歩けよ乙女』‥恋せよ乙女ではなく、歩けよ乙女???

この本は私が、よく、お邪魔するブログ瀬戸智子の枕草子さんから紹介され、面白そうなので取り寄せた内の一冊だが、今、中程まで読み進め思った事は「楽しく面白い!」の一言である。

何処が面白いかと言えば、たぶん夢想?の世界だと思うのだが不可思議な世界に、いつの間にか引き込まれ、現実?と夢想?‥チンケな男の夢想?と冒険的不可思議な乙女の夢想?のコラボレートと登場人物の面白さが、いつの間にか楽しき世界に読み手を引きずり込んでいるという本当に不可思議な小説である。

中程から先どのような展開が待ち受けているのか?分からないが、想像の出来ない不可思議世界への誘いという楽しみが強く心に刻まれる小説である。

叙述トリックという分類に入るのだそうだが?、小難しい事を除けたとしても「楽しく面白い!」小説である事に間違いはない…!

本だけでなく、アニメやマンガに映画それに舞台にも活用されているところは、ナルホドと頷ける小説である。

ひとりよがりごとのつぶやき

『夜は短し歩けよ乙女』

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出版社/著者からの内容紹介
鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー!
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった!

内容(「BOOK」データベースより)
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森見 登美彦
1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』(新潮文庫)で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009年9月28日 (月曜日)

2009年第141回直木賞受賞作品『鷺と雪』に連なるベッキーさんシリーズ第二弾 『玻璃の天』

ウチの馬鹿猫には困ったもんだ…私が読書に耽ると馬鹿猫は暇を持て余してチョッカイを出して来る。最初は肘に冷たい鼻を押し付け気を引こうとし、それでも知らん振りしていると、次は、やはり肘を舐めてくる‥それでも知らん振りしていると今度はやはり肘を軽く噛んで来る…ここまでは可愛げもあるが、それでも私が知らん振りしていると…最後は思いっきり、やはり肘を噛んで逃走する。…何故に肘なのか理解出来ないが寂しがりやの馬鹿猫である…痛てぇ~!weep

ベッキーさんシリーズ2冊目の『玻璃の天』の感想に行く前に、前作一冊目の『街の灯』でベッキーさんは剣道だけでなく拳銃の名手であり、常に懐に拳銃を忍ばせている単なる運転手ではなくボディーガードでもある事が明らかになった‥何者なんだベッキーさんは…と楽しみにしつつベッキーさんシリーズ2冊目の『玻璃の天』を読んだ…

2冊目の『玻璃の天』は「幻の橋」「相夫恋」「玻璃の天」の3話構成だが、3話目の「玻璃の天」で、ベッキーさんの悲しい過去の正体が明らかになる。しかし、何故、頭脳明晰で剣道の達人で射撃の名手なのかは謎のままである…『鷺と雪』で何故このシリーズが終るのか理解に苦しむが、いずれにか続編が書き下ろされる事を望むばかりである。

3話目「玻璃の天」では、またもや殺人事件が絡むのだが、今回は間接的ではなく、直接的に殺人事件に絡む事になる。新しき読者の為にも内容を暴露する訳にはいかないが、奇抜な建築表現にバベルの塔や枕の草子が出て来るが、それよりも印象的なのは作家の思想理念を表すのか、登場人物である建築家のフランス・パリのサント・シャペルの教会の話である。

教会建築に最初は圧倒された建築家が建設話を聞くうちに疑問を持った件りがある‥この教会を作らせた王様は政治的にも評判が良かったらしいが、「~だけど、十字軍も起してるんだよな」と問題提起する。

信仰と使命感‥使命感と戦争参加‥「~使命感を起させるから、始末が悪いんだ~」神様のやる事として邪道…神の美じゃなく悪魔の美…「~御立派で荘厳な神様なんか、いらない~」…「~異教徒一人の命の方が、よほど大切なのだ~」…「~勇気を持って語れる神が表れたら~」…「~俺は神の前に跪く~」…

この件りは現代の戦争の起因や平和理念にも通じる永遠の課題への問題提起だろうが、作家の思想理念をも表しているようにも思う。

ベッキーさんも過去の不幸を背負いながらも命の大切さを胸に秘める強い女性だが、人間の怨念は個人の命の大切さを凌駕するほど凄まじきものである事もこのミステリーでは悲しく表している。

日本社会に於いて思想家や評論家の無責任な論評がメディアという媒体を挟み国家を国民を誤った方向へと導くという物語の進め方は現代の現実でも在り、単なる戦前の話でありフィクションだからと簡単に打ち捨てるには惜しい考えさせられるミステリー小説である。

ウチの馬鹿猫は、こうして私がパソコンに向かっている時も、暇を持て余してチョッカイを出して来る。以前はワザとキーを踏みつけていたが、一度書いた記事が消えて怒られてからはキーを避けながらパソコンの上を横切りパソコンの傍で寝そべる…馬鹿だが可愛いもんだ………

ひとりよがりごとのつぶやき

2009年第141回直木賞受賞作品『鷺と雪』に連なるベッキーさんシリーズ第二弾 『玻璃の天』

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内容(「BOOK」データベースより)
昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村 薫
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」で日本推理作家協会賞、平成18年、「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞評論賞、平成21年「鷲と雪」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009年9月24日 (木曜日)

2009年第141回直木賞受賞作品『鷺と雪』に連なるベッキーさんシリーズ第一弾 『街の灯』

2009年第141回直木賞受賞作品『鷺と雪』を読んで、ベッキーさんシリーズ3部作を知った私は、私としては面白かったので、すぐさま一冊目の『街の灯』と2冊目の『玻璃の天』を取り寄せ読んでいるのだが…ベッキーさんシリーズ最初のミステリー『街の灯』の中の「虚栄の市」で、別宮(べっく)みつ子ことベッキーさんの名前の由来は英国ウィリアム・メイクピース・サッカレー氏の書いた虚栄の市(ヴァニティ・フェア)〔Wikipedia参照http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E6%A0%84%E3%81%AE%E5%B8%82〕に出てくる主人公レベッカ・シャープ愛称ベッキーに準えて、このミステリー(ベッキーさんシリーズ3部作)の語り部的主人公の花村英子が付けた事が分かった‥と云ってもサッカレー氏の虚栄の市(ヴァニティ・フェア)は聞いた事はあるが恥ずかしながら読んだ事も見た事も無いので私はよく知らない…が、日本で云えば嘉永の頃に書かれた小説が現在も新たに翻訳され映画化されているという事は小説としては時代を超越した作品であろう事が伺える。

謎の女運転手ベッキーさんが剣の達人というのも驚くが、またまた驚いた事に『鷺と雪』では殺人事件の絡まない日常?の人心の機微をミステリー化したものであったが、第一部というか1冊目の『街の灯』では一話目の「虚栄の市」で、いきなり殺人事件が絡んでくる…それをベッキーさんが謎解き、江戸川乱歩の本『屋根裏の散歩者』〔Wikipedia参照http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E8%A3%8F%E3%81%AE%E6%95%A3%E6%AD%A9%E8%80%85〕を主人公の花村英子に読ませ、花村英子自身が謎を解いた如く思わせ解決を図るのだが、この頃の花村英子は、まだ幼く(たぶん13歳前後)、その事には気が付かないところが笑える…

この後、第二話「銀座八丁」第三話「街の灯」と続くのだが、これ以上のネタばらしは、気が向けば後日改めて記したい…

読んでいて思った事は、ベッキーさん(別宮みつ子)の役所は、大ファンでもある女優の黒木メイサさんがピッタリのような気がする。もしドラマ化とか映画化するような事があれば是非とも彼女(黒木メイサ)を抜擢して欲しい。

さぁ!今日は少し遅くなったが、また、これから読書の時間でミスドーへ向かう‥これ以上太ると腰に来るのでドーナツは控えめにしよう…

ひとりよがりごとのつぶやき

2009年第141回直木賞受賞作品『鷺と雪』に連なるベッキーさんシリーズ第一弾 『街の灯』

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内容(「BOOK」データベースより)
昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村 薫
昭和24(1949)年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、昭和59年、創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。平成元(1989)年、「空飛ぶ馬」でデビュー。平成3年、「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009年9月15日 (火曜日)

2009年直木賞受賞作「鷺と雪」

時代描写、情景描写が繊細でいて柔らかく、読んでいて棘の無い「ふんわり」した心地にさせる面白いミステリー小説である。男性作家でありながら、この柔らかい感触の描写を実現させた理由には、もう一つ‥ミステリーでありながら殺人事件が絡まず、極めて自然な普段の生活の中のミステリー描写に努めているからだろう…

この作品は昭和の激動時代に突入する寸前の時代背景を描写しながら上流階級と下層階級の格差社会も端的に描写しているが、感受性豊かな主人公英子と巧みに絡ませる謎のベッキーさんの役どころがコミカルに描かれ時代の暗さを際立たせなかったのは作者の妙と云った処だろうか…

作品中、現代でも重用される文学本の取り入れ方は自然で嫌味が無く、文学が心の豊かさに如何に影響するか‥させるか…作品の参考文献を見るだけでも昭和初期の世相の裏付けを知る上で大変な参考になる。

私は知らなかったが、この作品はベッキーさんシリーズとして「街の灯」「玻璃の天」「鷺と雪」と三冊の単行本から成り、この「鷺と雪」が完結編らしい‥またまた面白いミステリー作品の発見である。

とにかく、この作品は内容を教えたくない読ませたい柔らかいミステリー作品で、これ以上の解説は不必要であると思わせる。

2009年直木賞受賞作「鷺と雪」

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内容説明

内容(「BOOK」データベースより)
帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、雪の朝、運命の響きが耳を撃つ―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村 薫
1949年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、84年、創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。89年、「空飛ぶ馬」でデビュー。91年「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009年9月 7日 (月曜日)

2009年芥川賞受賞作「終の住処」

この本を開き期待しながら読み始めたときに、言い知れぬ脱力感と惰性に流される人生という、現代人の悲壮感にも似た暗さと不幸を感じ、先を読まずとも内容が透けて見えたみたいで、読み進める意欲を失った…

しかし、芥川賞を受賞するほどの作品であるからには、どんでん返しとか人生の深い意味とか何かが隠されているかも知れないと目を先に進めた…

この作品に描かれた男の心理は全体に表層心理では無く、深層心理として描かれているように思う。

表層心理で描かれる人生には紆余曲折・喜怒哀楽・目的・希望といった気楽に捉える事が出来る娯楽性が在るが、深層心理を描くと、楽しさに感動も無く、悲しさに辛さも無く、人生の意味とか、振り返った後悔とか、残された人生の孤独感とかに焦点が当てられ、何となく納得したようで感動を覚える事が無いような気がする…と、私は思ったが、人それぞれ、また、年齢によっても捉え方が違うだろうから一概には云えない…

この作品も表層心理で結婚から女性遍歴‥妻の冷めた一面などを描き、人生の終盤を迎えたときの後悔と残された人生への思考などを描けば面白かっただろうが、あえて深層心理で生きる事の意味というか価値というか、下らなさというか、そんなところに焦点を当てたという事は、現代人の心の渇きを表現したかったのかも知れない…

私は読み終えて主人公の男よりも妻である女性の心理に興味を引かれた‥主人公の男は最後に生きたまま棺桶に入るような後悔と懺悔の気持ちを抱いたようだが、妻である女性に嬉嬉とした新たなる人生への希望のようなものを感じた…11年間も口を利かなかった妻が、結婚生活の過去が無かったかの如き会話の始まりに主人公の男との新たなる結婚生活に本当の二人きりの喜びのようなものを、求める、迎えた、女性の不可思議さを感じたのだ…

男の深層心理は海外赴任で物事の真理に気付き、表層心理の下らなさを悟り、妻への懺悔‥後ろめたさから残りの人生を棺桶の中の人生と暗くなったが、逆に、求める‥迎えた‥残りの人生に光を見出した妻との対照的な結末の表現は、やはり、男は女には生涯敵わないと悟らされる自虐観に似た苦笑いの爽やかさを感じる…

この作品は面白いと感じさせない面白さが味噌なのかも知れない…

2009年芥川賞受賞作「終の住処」

Amazon商品説明より

内容説明

妻はそれきり11年、口を利かなかった――。

30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。ガルシア=マルケスを思わせる感覚で、日常の細部に宿る不可思議をあくまでリアルに描きだす。過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。小説にしかできない方法でこの世界をあるがままに肯定する、日本発の世界文学! 第141回芥川賞受賞作。



内容(「BOOK」データベースより)
妻はそれきり11年、口を利かなかった―。芥川賞受賞作「終の住処」、書き下し短篇「ペナント」収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
磯崎 憲一郎
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学商学部卒業。2007年『肝心の子供』で文藝賞受賞。2008年『眼と太陽』が芥川賞候補に。2009年『世紀の発見』刊行。同年『終の住処』で第141回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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